2022
レオス・キャピタルワークス株式会社
代表取締役 会長兼社長 
CIO(最高投資責任者)
藤野英人

ー今回のアワードの率直な感想をお願いします


非常に楽しかったです。

素晴らしい会社が多く、それ故に接戦でしたし、
参加企業のビジネス内容にわくわくしました。

コンサルタントのレベルも非常に高かったです。
皆さん非常によく研究されていて、情熱を持っていました。

私は仕事でアナリストやファンドマネジャー、もしくはベンチャーキャピタリスト、金融系の専門家の人の話を聞く機会が多いのですが、今回はコンサルタントによる推薦というところで、今までとの違いを非常に強く感じました。


ーコンサルタントがプレゼンする方式はいかがでしたか?


コンサルタントもファンドマネジャーもアナリストも企業を見る専門家ですから、レベルの高さは変わりません。

ですが、コンサルタントはファンドマネジャーやアナリストとは視点が異なります。それは何かと言うと、コンサルタントとして、その会社をコンサルテーションして、大きくすることにコミットしているので、愛が違うんです。

今回参加されたコンサルタントの皆様は、それぞれの会社に対する愛に溢れているなと思いました。

もちろんアナリストやファンドマネジャーで、自分の調査している会社に愛の溢れている人もいます。ですが、愛の度合いが違う。だからこそ、コンサルタントの愛の溢れるコメントをたくさん聞き、私も胸がいっぱいになりました。


ー船井総研とそのお客様の特徴とは?


船井総研さんは対象業種が非常に幅広いです。また、スタートアップから中堅から大企業に至るところまで非常に幅広い会社をカバーされているので、今回のエントリー企業も本当にスタートアップに近い会社から上場している会社まで多様性があったのが大きな特徴ですね。
様々な業種、様々な地域の会社を幅広く応援しているというのが、船井総研さんの強みではないでしょうか。


ーアワードの外部審査員としての役割とは?


それぞれの審査は、当然主催者の意志や意図が働きますし、働くべきだと思っています。
その面で見ると、それぞれの主催の「らしさ」というのが溢れていた方がいいと私は考えます。

その理由は、結果的に受賞した会社を応援することになるので、今回受賞した会社というのは、受賞したら「さよなら」という形ではなく、船井総研さんが応援し続けるのですから、その面では自分たちのカルチャーと自分たちの視点から良い会社が選ばれることが大事だと思います。

しかし、それだけだと内輪事になってしまうので、私たちのような外部の専門家の力や、視点といった、必要なものを提供するのが我々の役割ではないかなと思いました。


ーグレートカンパニーとはどのような企業だと思われますか


やはり志だと思います。
志が高く、高い成長を目指していくことがとても大事です。

もちろん、明日にも潰れそうな会社では選ばれにくい訳ですし、また、社会性が低い会社も選ばれにくいので、志が高いだけではグレートカンパニーとは言えませんが、社会性があって、ある程度の財務力があれば、やはり最初に申し上げた通り、志が高くて新たな日本をこれから作っていこう、新たな価値観をこの社会に創出していこうと動いていく会社がグレートカンパニーと言えるのではないでしょうか。

もちろん今回選ばれた会社というのは、それ以外の規模感がありました。ですが、決して規模が重要だったわけではないと私は思います。

やはり、最も大事なのは志の高さと、それに伴う会社の姿勢と言えるでしょう。私達はそれを十分に議論し尽くして、審査したのではないかなと思います。


ー今後のグレートカンパニーアワードに期待することは


このアワードは10年も続けてこられたのですね。とても素晴らしいと思いますし、これがやはり20年、30年という風に、続けていくということが大事で、継続することにより、段々と賞の重みが増し、歴史が刻まれていくと思います。

経営コンサルティング会社が主催のアワードという点は、とても大きな意義があります。
会社に寄り添って、そして、思い入れを持って会社を伸ばそうとしている方々が主催されているアワードなんですね。

そこに非常に価値があると、私は思っております。そういったコンサルタントたちが外部の人と共に選んだ会社が、今後、持続的成長を続け、さらなるご活躍をされることを心から応援しております。

フォーブス ジャパン 
執行役員 Web編集長
谷本有香

ーグレートカンパニーアワードの審査に関わられたご感想をお願いします


とても勉強になりました。
今まで数々の審査に関わってきましたが、その中でも最も審査をする上で、何が必要かということに気づかされた今回のアワードだったと思います。

今までは社長さん自らがプレゼンをするケースが、多かったと思うんですが、その社長の熱量やプレゼン力のようなところに、どうしても気を取られてしまって、パフォーマンス重視でそういった方々を評価してしまうことが多かったのですが、今回はコンサルタントの方が、その企業の良さを客観的に分析されてプレゼンされることで、その企業の良さフェアに見ることができたような気がします。

なので、今までのプレゼンテーションの評価、そして審査とは大きく違ったような結果に自分自身でもなったような気がしています。


ー船井総研とそのお客様の特徴とは?


先ほどの話にもすごく繋がるとこだと思うんですけども、どうしても視聴者であるとか、そして審査員もそうなんですけど、華々しいものに目が奪われてしまいがちなんですよね。

でも実は良い企業や優れた企業というのは、華々しさだけでも実は測れないところが大きいといったところなんですよね。
なので実はすごく地味であるけれども、とても光るものを持っている、そして実際に本当に着々と成長を遂げている、そういったところに目を奪われないといったような状況も今までありましたと、それを気づかさせてくれたのが今回のこの船井総研さんのこのアワードだったと思いますし、そういったところをきちんと評価をするということを与えていらっしゃる、これが船井総研さんご自身の素晴らしさだと思いますし、それが現れたのが今回のイベントであったという風に思ってます。


ー審査をされる上で気を付けられた点はありますか?


数値というよりは印象であったりとか、あとは今持っている大きな課題に対してのそのキーワードだったり、パスワードだったりとか、そういったところを強く打ち出しているところが、やっぱり強かったりすることが多いと思うんですよね。

そうではなくて、それぞれの企業が自分の目の前の課題にきちんと答えていると、その実直さといったところをどれだけ評価していくことができるか、それが今回のアワードの中でも私自身が改めて感じ行ったところです。


ー他のアワードと異なる良さはありましたか?


ありました。
まさに実直にそれぞれの企業が、それぞれのできる成長の範囲でやっていると言ったところに評価を当てる、もしくはスポットライトを当てるっていうところの素晴らしさだと思うんですね。

それはどういうことかというと、自分たちも頑張れるのではないかという勇気ですとか、そしてなにかやる気のようなところを波及する作業が、とても大きいアワードなような気がするんですよね。

他のそのアワードであると、その華々しさも「ああ、そこだったら、もう我々は無理だろうう」とかそういったような、ある種諦めみたいなものを醸成してしまいがちであるアワードの中において、誰もが勇気を貰って、そして誰もが第二第、三の今回のアワードの受賞者のようになれると言うような確信を持って、次なる一歩を後押しできるような、そういったポジティブなアワードである。
それが船井総研さんのこのグレートカンパニーアワードだと思います。


ーコンサルタントがプレゼンする方式はいかがでしたか?


実はコンサルタントの方であるとか、もしくはその企業の方ではない方がプレゼンをするというのは、本当に数々の審査をしてきた中で、初めてだったんですよね。

とても良いところはもちろん、ご自身が担当されている企業様と言ったところで愛情もあるでしょう、愛着もあられるであろうけれども、やはり冷静に数字であるとか、きちんと客観性を持って、それを分析されていらっしゃるっていうところが大きいと思うんですね。

なので本当にそのコンサルタントさんの目線を持ってきて、私たち自身も冷静に、そして本当に客観的に企業の良さというものを見ることができた。
それは凄くあの評価に値するところだと思いますし、私たち自身も真似をしていきたいなと思うところでもありました。


ー今後グレートカンパニーアワードに期待することは?


まさに、多くの企業がこのアワードに応募してみたいであるとか、私自身もあのようにやってみたいであるとか、そういった勇気を与えるアワードだという風に思うんですよね。

なのでたくさんの方々に知っていただいて、見ていただいて、そしてこれから沢山の応募を作っていく上で、グレートカンパニーをで日本中に沢山作っていくと、多分そういった役割があられるという風に思っておりますので、自身もたくさん拡散告知をしていけたらいいなというふうに思ってます。


ー谷本様にとってのグレートカンパニーアワードとは?


日本らしい成長の仕方が、おそらくあるんだと思うんですよね。
それはまさに華々しい何かを出すであるとか、そういうことではなくて、本当に三方よし。
まさに自分の顧客だけではなくて、従業員の方にも、そして自分たち自身も、そして地域の方々も全部巻き込んで良い企業とは何だろうかということを打ち出しているのが、
グレートカンパニーアワードだという風に思うんですね

それというのは、西欧的な欧米的なグレートカンパニーというような定義とは、大きくかけ離れたものだと思うんですよね。

なので全てが自分達の企業に関わる人達が、幸せになる、豊かになると、それを打ち出して行けるのが、まさにグレートカンパニーアワードで、私達日本人、日本企業が目指すべきゴールがここにあるのではないかという風に思ってます。

株式会社船井総合研究所
代表取締役社長
真貝大介

ー今回のアワードの率直な感想をお願いします


今回が船井総研主催になって1回目の審査会でした。

これまでに財団として10回以上開催しておりますが、私も何回か審査員として入らせていただいております。
財団でやるということは公益性を重視することになりますが、財団が解散したからといって公益性を失ってはいけないと思っており、今回から外部の藤野さんと谷本さんというプロフェッショナルに入っていただきました。
公益性を維持しながらも、一方では船井総研が主催になるということで、グレートカンパニーを輩出していく、中小企業が進化するためのリーダーシップを直接的に発揮するきっかけにしたかったという想いがあります。

ですので、少しコンサルタント色が強いと言いますか、審査の基準も、審査のプロセスでもよりコンサルタントが関わる流れになっていたかと思います。
第一回目としてはその辺のバランスを取りながら、コンサルティングで知見のある業界の企業様が多かったと思います。

少し外に開かれたアワードにしていく、そんなきっかけには出来たと思います。


ー外部審査員の参画について


何度も外部審査員に入っていただくことを検討したことはありました。
今回たまたま藤野さんから「船井総研らしい」という表現をされて、改めてこれまで内部でやってたので、逆に10回蓄積してきたノウハウでしたり、カルチャーみたいなものは出来上がっていることも感じました。

第一回目から外部に開放してしまうと、足元がしっかりしていない中で色んな意見が錯綜してしまうことがあると思いますが、我々の場合は割とベースがしっかりしている中に新しい風が入ってきてステップアップしていける予感を感じた回だったと思います。


ー受賞企業の特徴


財団主催でやっていた頃から、ガラッと何かを変えたかったわけではありません。
今までの受賞企業は自信を持って賞を贈らせていただいていますので、継続性は維持しながらも、今回も外部エントリー企業が入ったりですとか、船井総研のコンサルタントが提唱する美しい企業の姿以外のエッセンスは少しずつ入れていきたいと思っていました。

コロナ以降の中小企業の経営でよく「レジリエンス」とか業績をどう回復していくかとか、ここからどう成長を再起動させていくか議論がある中で、力強さのある足腰がしっかりしている企業が多かったと思います。


ーコロナ禍においてアワードを開催する意義とは


まず我々のアワードはエントリーのハードルがそこそこ高いものになっています。

何と言っても三期分の決算書を出していただくことを義務づけていますので、これはコンサルタントとしては当たり前ですが、世の中の他のアワードではなかなかありません。
そんなのやってられないよとか、コロナの最中の決算書なんてとてもじゃないけど出したくない、少なくとも気持ちよく出してもらえるものではないと思います。

ですが、長いスパンで考えればコロナの時は皆しんどかったので、じゃあこういう業績で賞が出せたとか、そんな状況にも関わらず成果を出していた会社があったと振り返ったりできると思います。

よく不景気の中で活躍した会社というのは強い、と後世になって言われますが、それも記録として残せると思っています。
今回もコロナだから多少妥協するとか、視点としてあってもいいと思いますが、そもそも数字を把握しないとか、集める資料自体を軽くするのは、アワードとしては違うと思っています。
10年単位の推移で見て、上がった下がった、ということも一緒に受け止めて共有していけるアワードにしていきたいです。


ーなぜ経営数値を重視するのか


どこまで行っても中小企業経営と、業績・経営数値は切り離せないと思っています。

もちろんその時代時代で、売上が重視された時代だったり、利益が重視される時代だったり、ひょっとすると時価総額が重視される時代だったり、移り変わりがあり、中小企業に求められるものが変われば、我々も目線を変えていくべきだと思ってはいます。

ですが、さすがに業績・経営数値から目を背けるかというと、いかにDXやSDGsがもてはやされても、コンサルタントが主催するアワード、船井総研が中小企業の経営者に想いを寄せて開催するアワードとして、絶対に欠かせないものだと思っています。
ご理解いただき、決算書に関してはご協力いただきたいと考えています。


ー船井総研が大切にする原理原則をどうアワードに反映しているか?


今回主催になるということで、様々なアワードを見ました。
今世の中には様々なアワード、ピッチ、〇〇甲子園などというものもあります。

このアワードは10回以上やってきていますが、20回継続しているアワードというのは、少ないのです。

一方で、企業経営というのは、さすがに10年で終わっていいと思っている人はいないと思います。
その年々でベンチマークすべき会社も1年経ったらおしまいではなく、ずっと変わり続けていくべきでしょう。

その意味で、私はこのアワードは絶対続けないといけない、特に持続的な成長というテーマがもてはやされているタイミングで、アワード自体に持続性がないと、参加してきた経営者を困らせてしまう、戸惑わせてしまう、と思います。

原理原則という意味では、第一回からずっと同じ項目で表彰しています。
10年間で、こういうのどう?、新しい賞を作らないか?、という話もありますが、どちらが長続きするかというと、これまで設定してきた賞が長続きするでしょうし、これこそが原理原則だということが伝わるといいなと思っています。

この5つをまずベースにやっていただきながら、その時々の時流等も上手に捉えていくのですが、何らかの形でその5つに収斂できると思っています。


ーエントリーを考えられている企業へのメッセージ


今回も何社かありましたが、ノミネート自体に何度かチャレンジしている会社もあります。

今年こそは!という風に10年に一回意気込んで出すよりも、毎年でも出していただいて、今年はこんな新しいトピックがあったからこの賞でエントリー、一方でこの10年での伸び率や、10年間で実現してきた実績で表彰するというケースもあります。

単年でのパフォーマンスもしっかり見ているつもりですし、複数年で蓄積して持続してきたことに関しても表彰していますので、毎年チャレンジしていただけると嬉しいです。
また、目的意識を持って、どの賞で行くか計画的にエントリーいただくことも否定しておりません。
目的意識を持って出すと経営が良くなる、最終的に業績も上がるというサイクルになるのが良いと考えています。

是非このインタビュー記事を見られた全社にチャレンジしていただきたいというのが私の想いでございます。


ーコンサルタントがプレゼンする方式をどう考えているか?


ほとんどの世の中のアワードは、経営者ご自身がプレゼンテーションすると思いますが、アワード自体の評価軸の客観性で、分かりやすい数字とか、プレゼン資料だけではなく、例えば声のトーンだったり、プレゼンの上手さも含めて考えると、力の入りやすい経営者よりも、客観的なコンサルタントの方が冷静に検討できると感じています。
ポジショントークも、控えめにできます。

もう一つは、必ず各賞の検討時に確認が入るのですが、その業界水準で見た時にどれぐらい優れているのか、あるいは業界を超えてどれぐらい優れているのかが、やはりコンサルタントの方が変な解釈なしにやり取りできるということが、コンサルタントがプレゼンする良さだと思っています。

また、自分で自分の自慢をしたくないという経営者の方が、当然いらっしゃると思います。
自分の会社の経営状態が、そもそも優れている状態なのかどうか、よく分かっていない経営者もいらっしゃると思うんです。
そういう意味では、優れた企業を自薦で選出する方法にも、どこか限界があり、コンサルタントが「あなたの会社すごいですよ」ということをお伝えし、一緒にプレゼンに臨むこともあると思います。
プレゼンがあまり上手じゃないとか、自分のポジションがよく分かってない経営者にとっては、コンサルタントによって初めてそれが分かりやすくなり、すごい会社だということが形式化・明確化すること自体にも価値はあると考えています。

別に目立たなくても良い経営はできるから、出なくてもいい、というのがこれまでだと思うので、より外に向けて推し進めていこうと思うと、コンサルタントが介入する、媒介する価値とは間違いなくあると思います。


ーアワードを通して世の中に伝えたいことは?


経営者コンサルティングを掲げていますので、中小企業の経営者として目指すべき姿だったり、良い会社というのはこういう会社なんだというのを、限られた1年間とか、クローズドなコミュニティだけではなく、中小企業全体に対して指し示していく必要があると思っています。

プレゼンはコンサルタントがやっていますが、コンサルタントが思い描くものを提案するのではなく、こういう会社がこの業種・テーマにおいて優れている、ということを数字等も含めて指し示していく必要性があると考えています。

そういう意味では、我々が普段からコンサルティング活動で行っている成功事例を紹介するとか、ベンチマーク事例を紹介するということの一年間の集大成として、どんな業種の経営者でも、どこのエリアにいらっしゃる経営者でも目指していく経営モデルをご紹介するという機能が一番重要ではないか、と考えております。

一年間だけだと、どうしてもその時々の状況によって移り変わってしまうので、経年で毎年毎年それを積み上げていって、これまでより新しい目指すべき姿を、3年間とか10年間という長期に渡ってお伝えしていくことも、重要ではないかと思っています。

経営者にとって経営というのは逃げられない存在で、ずっと追いかけていくものですから、毎年毎年目指していくべきモデルが刷新され、新しいモデルがまた登場するということにも価値があるのではないでしょうか。