- 過去受賞企業紹介
2022 年受賞
働く社員が誇りを感じる会社賞
53年黒字を続ける成長の理由は「社員に任せる経営」
- 株式会社関家具
- 九州・沖縄
家具の卸売・小売業
グレートカンパニーアワード
2022 働く社員が誇りを感じる会社賞
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受賞理由
1968年の創業以来、53年黒字を続ける同社の成長の理由は「社員に任せる経営」です。
「楽しくなければ仕事じゃない、やりたい事を任す、失敗しても文句は言わぬ、責任は全て社長が取るから思いっ切りやって下さい」と明文化し、失敗をしても再挑戦して成功できる企業文化を確立。
これまでに社員による発案の新規事業が60以上立ち上がり、30を超える商品ブランドが誕生しています。
新規事業では天然木材の一枚板テーブルや生地から開発したソファなど、オンリーワンの高価格商材を開発し、ラグジュアリーホテルや高級ブランドの販売店などに販売。社員発の新規事業が始まった2005年の売上比率は家具販売店向けが約9割だったのが、2021年は5割弱になり、現在は異業種、法人向け、直営店、ECでの売上割合が増えています。新規事業が会社の屋台骨を支える大きな存在になり、2021年5月期の売上高は195億円と、過去最高を更新しました。同社は入社年次に関係なく、意欲のある社員は国内、海外での展示会や工場へ積極的に派遣し、商品開発を推進。その結果、今まで市場になかった製品の独占販売や、関家具独自のプライベートブランドを生み出すなど、現場社員発信のイノベーションがたくさん生まれています。社員の自由な挑戦と収益を両立している同社に、『働く社員が誇りを感じる会社賞』をお贈りします。
社員に任せる経営で60の新事業
53期連続黒字の株式会社関家具
企業概要
会社名 株式会社関家具
代表者名 関 文彦
設立 1968年4月
本社所在地 福岡県大川市幡保201-1
従業員数 518人(2021年6月現在)
事業内容 家具・インテリア・住関連商品企画販売業
受賞理由
社員の自由な挑戦と収益を両立。社員発の新事業は60超、53期連続黒字
・「社員に任せる経営」で、心理的安全性を保って挑戦を後押しする企業文化を確立。
・社員発の60を超える新事業が会社の屋台骨に。2021年5月期の売上高は過去最高の195億円。
・年代や入社年次に限らず、多くの社員が仕事への高い誇りを持つ。
業界ポジション
挑戦と創造で広げたオンリーワン商材と複数販路
失敗を恐れず挑戦できる社風が、新事業とブランドを生み出しています。結果的に海外製品の独占販売や、国内でのオンリーワン商材などを持っています。量販店への卸売、直営店での販売、レストラン、ホテルなど複数販路を持ちバランス良く販売しています。
事業概要
成功の裏に失敗と挑戦がある
社員が1億円の損失を出しても挑戦させる社風
家具業界で創業以来53期連続黒字経営を続けている株式会社関家具。2021年5月期は過去最高となる売上高195億円となりました。
その大きな推進力となっているのが、失敗を恐れずに「社員に任せる経営」です。
同社は創業10年も経たない頃に「経営の心得13か条」を作りました。その1つに書かれているのが次の文です。
社員への言葉「楽しくなければ仕事じゃない、やりたい事を任す、失敗しても文句は言わぬ、責任は全て社長が取るから思いっ切りやって下さい」
条文のとおり、社員には思いきりよく挑戦させ、失敗を咎めることがありません。
例えば、社員がテーブルを製造しようと木材を仕入れた際のこと。仕入れたものの、多くの木材には穴が空いているなどの欠陥があり、廃棄に。テーブルは1枚も作れず、損失は1億円にものぼりました。
しかし、同社はこの失敗を咎めませんでした。それどころか、再挑戦を積極的に推進しました。
そしてこの社員は、その後の2008年、新しい事業を生み出すに至ります。それが現在、同社の特徴的な事業の一つである1枚板のテーブル専門店「アトリエ木馬」。屋久杉などの貴重な木材を使ったテーブルを販売し、2021年現在、11店舗での売上は合計21億円になっています。
社員が創出した32のブランドと60以上の新事業
新たな販路開拓も好業績につながる
関家具にはこのように社員が発案して、進めたブランドや新事業が数多くあります。
例えば、生地から開発した新素材ソファの事業「RELAX FORM」は売上30億円にも上ります。これもまた、過去に大きな失敗をした社員が生み出したもの。ドイツ製の高級マットレスを6000万円分仕入れたものの、汚れが目立つ懸念から全く売れなかったという経験を持つ社員がめげずに成功させた事業です。
しかしもともとの同社は、社長のワンマン企業でした。それが、幹部社員の退職をきっかけに経営方針を転換。「社員に任せる経営」へと舵を切ったのです。
2005年に社員発の新規事業第一弾として「クラッシュ」ブランドの発案、ドイツのマットレスメーカー、センベラのショールームをオープン。
以来、32のブランドと60以上の新事業が生まれています。
さらに新事業の創出から、同社の販路も増えました。
2005年は量販店向けの売上が約90%でした。それが新規開拓したレストランやホテル、オフィス家具の会社などの法人向け販路や、直営店による売上が増えました。高価格帯商品の納入先が継続確保できていることは同社の強みでもあります。
2021年現在は量販店向けの売上は半分程度となり、バランスのとれた売上構成比となっています。
加えて、同社では意欲のある社員には海外渡航を積極的に推進しています。入社年次にかかわらず、海外展示会に派遣を行い、そこから海外製品の独占販売に結びついているケースも少なくありません。
在庫管理でDXを進めて
卸会社にありがちな在庫ギャップをなくす
また、近年では同社は在庫管理のDXにも取り組んでいます。
卸会社の場合、往々にして、確認できている在庫の状況と実数が異なる事態が生じることがあります。同社ではこれを避けるため、在庫のリアルタイム管理を推進すべく、携帯端末による即時状況把握を取り入れています。これにより機会損失をなくすことで、より効率的な販売を行っています。
社会への影響
オンリーワン商材で
リゾートホテル等からの引き合い
関家具は他社では扱っていないオンリーワン商材を数多く持ちます。その一つが「アトリエ木馬」の天然木材の一枚板によるテーブル。これが評判を呼び、高級リゾートホテルや高級車の販売店から相談を受け、テーブル、カウンターなどを販売しています。国内外のVIPやエグゼクティブのおもてなしにも一役買っているのです。
木材はサスティナブルという視点でも関心が高まっています。同社は国産木材を世の中に広げていくプロジェクトを全社で推進し、地球環境の未来のために取り組んでいます。
社員の誇りの源泉はオーナーシップ
担当コンサルタントコメント
「社員が会社・仕事への誇りを持つからこその強さ」
関家具様について、特に注目したいポイントは社員の皆様の「会社・仕事への誇り」の高さです。入社年次や年齢にかかわらず、全ての世代において、多くの社員が高い誇りを持ちます。これは、自分の仕事にオーナーシップを取れているということの結果とも考えられるでしょう。自由な挑戦があってこそ、意欲ある社員が生まれていきます。
結果的に、常に新しい事業を生まれ、事業の柱を次々と打ち立てています。そして、これが売上と成長になり、創業以来の連続黒字記録の更新にもつながっていると言えるでしょう。株式会社関家具
代表取締役
関 文彦 氏
株式会社関家具
URL:https://www.sekikagu.co.jp/- RELATED
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